バチェラー・ジャパンが嫌いな私がバチェロレッテにハマった理由
amazon prime videoで配信中の『バチェロレッテ・ジャパン』が意外と面白い。
『バチェロレッテ』とは何かというと、元々『バチェラー』という番組があり、セレブ男性(バチェラー)の結婚相手を選ぶために20人くらいの女性が集められ、デートを重ねながら男性を奪い合うという内容だった。『バチェロレッテ』はその男女逆転版である。
そもそも私は『バチェラー』が面白いと思えなかったし、なんとなく女性軽視感があって嫌いだったので『バチェロレッテ』にもさほど期待はしていなかった。
でもまあ、話題になってるし一話くらい見てみるか。
と見てみたところ、意外にも面白くて最新話まで見てしまったのである。
男女が逆転しただけで番組の構成やルールは変わっていないのに、何が良かったのか。
『バチェラー』は嫌いだけど『バチェロレッテ』は面白いと思った理由。
私が思ったのは以下の3つである。
①男は個性やスペックで勝負できる
『バチェラー』での戦いは、どうしても"女"を武器にした戦いになる。
ルックス、愛嬌、色気、どう男性に媚びを売るか。
そんなかんじだから、みんな同じような作戦になる。
それぞれの女性の強みが分からないし、なんだか個性がないなあと思ってしまう。
時々、印象に残るような趣向を凝らしてアプローチをする人もいるが、結局顔(もしくは胸)で判断されてるように思う。
男なんてそんなもんと言われればそうかもしれないが、可愛いから選んだんだろうなーみたいな女性ばかり残っていくのでは見ている側は面白くない。
その点男性は、特技や趣味やキャリアで勝負できる。
いわゆる平均化された「モテ」というフィールドじゃなくて、自分の得意なフィールドで勝負できるのである。
手料理を披露する人、自分が描いた絵を渡す人、ロードバイクで登場する人。
皆が個性的で違うアプローチをするから、バチェロレッテを射止める過程を見るだけで面白いのである。
②バチェロレッテが男性のパーソナリティを見極めて選んでいる。
今回のバチェロレッテがすごく頭が良くてできた人。
一人ひとりとなるべく時間を取ってじっくり話すし、男性たちの言動を細かいところまで見ている。
自分の好みで落としていくのではなく、ちゃんと性格を見極めて決めているかんじがする。
『バチェラー』のときはなんだか同じような人ばかりデートに誘われていて、たいして出番がないまま脱落するので「やっぱり顔じゃねえか!」なんて思ってしまった。
実力を出せないまま終わる人が多すぎて視聴者ながらやりきれない気持ちになってしまったのだ。
しかも、選ばなかった理由も「なんとなく僕に合わなかった」とか「好きだけど結婚相手じゃない」とか生クリームのようにふわっふわした理由である。
しかし今回の『バチェロレッテ』では男性のキャラクターが分かったうえで誰にするか選ばれる。
ゆえに、選ぶ理由・落とす理由が明確。
この発言がだめだったんだろうなー。とか、この行動はよくないよねー。とか、逆にこの言葉が響いたんだろうなーとかが分かる。(そういう風に編集してあると感じる。)
明確だからこそバチェロレッテの決断に納得できるし、男性への評価ポイント・マイナスポイントに思わず共感してしまうのである。
バチェロレッテの好みも最後まで分からず、タイプが違う人が残るから、誰が選ばれるか全然わからなくてわくわくする。
③バチェラーで感じた、女性が低く見られている感じがない。候補の男性たちを尊重してくれる。
『バチェラー』ではデートに誰を参加させるかはすべてバチェラーが決める。
デートに誘われないと、アピールするチャンスさえないのである。唯一あるのはカクテルパーティーだが、やっと二人きりになれたと思ったら他の女性が群がってくるという状態。自分からアプローチする方法がほとんどないのである。
これはバチェラーのルール上仕方がないのだが、頑張るチャンスすら与えられず落とされるのはなんだか理不尽に感じてしまう。
このシステムがいかにも「男が選ぶもの」「女に決定権はない」といわれているようで女が低く見られているように感じてしまうのだ。
『バチェロレッテ』でもルールは同じだが、独裁的なところを感じさせないのはバチェロレッテがいろんな人をバランスよくデートに誘うからだろう。
気に入った人により時間を作るのではなく、性格が見えなかった人に時間をとってくれる。これはとても平等なかんじがして見ていて気持ちが良いのである。
残れなかった男性へのコメントも、「(性格を見極めたうえで)あなたは素敵な人だけど、こういったところが私のビジョンと合わなかった」と相手を尊重する姿勢があって素敵だと思う。こういう風に言ってくれれば、ただ落とされて悔しいではなく、いい経験をして帰れたなと思うだろう。
おわりに
以上が、私が『バチェロレッテ』を面白いと思った理由である。
『バチェロレッテ』がもし女王様が男性をバッサバッサと斬っていくような内容だったら私は好きにならなかっただろう。
そこには、(まだまだ世間的には選ぶ側ではなく選ばれる側が多い?)女性が男性をふるいにかける痛快さではなく、女性らしいリアルなパートナー探しの視点があった。
愛とはなんだろう。結婚相手に必要なものってなんだろう。
『バチェロレッテ』でそんな答えが少しでも見えたらいいななんて思う。
最終話が楽しみである。