誘ってこない人とは友達でいられない。
私は長く続いている友達がほとんどいない。
社会人になって数年が経った。
大学時代の友達は辛うじて連絡を取っている人が何人かいるが、高校以前の友達は就職してから会っていない。
社会人になって友達と疎遠になるというのはよくある話である。
理由は色々あって、話が合わなくなるとか、どちらかが忙しくなって自然消滅とか、お互い新しいコミュニティができてとか。
そのへんの要因はもちろんあるのだが、それよりもお互いの会うことに対しての温度感というか、声をかけてこない人とは会わなくなるのだなあと思ったのだ。
これが私なりの基準なのかもしれない。
勿論、どのコミュニティ(或いは個人)でも「遊ぼう!」と発案する人は大体決まっていて、誘う人と誘われる人に分かれがちである。
わたしはどちらかというと誘う側の人間である。
友達は声をかければいつもすぐに応じてくれるが、割と一人でも楽しい人種が多く、向こうから誘ってくることは稀である。
飲みたくなった時に誰を誘うか考えると、どうしても直近で会った人になりがちである。
しばらく会っていなくても久々に会いたくなって誘うこともあるが、あまりに間隔が空いているとなんとなく委縮してしまう。
しかもそれが私が誘わないと会わないタイプの人だと余計やりづらい。
それでどんどん疎遠になってしまうのである。たまにでも向こうから誘ってくれたらこっちも気にせず声を掛けられるのに。
そこで思うのだ。
誘って誘われてじゃないと友達を続けるのは難しい、と。
SNSもやめてしまったので、学生時代の友達とはほとんど繋がりがなくなってしまった。
もう何年も連絡していない人は、同窓会でもない限り会うことはないだろう。
たまに思い出して、どうしようもなくあの頃が恋しくなる時がある。
そんな時は返事のいらないメッセージを送るようにしている。
返ってくれば少しだけやり取りをして、別に会おうということはない。
返ってこなくても、この愛しさは一時的なものだし、まあいつか会えるだろうと思うことにしている。
昔の友達に会えなくても、今は新しい友達もいて何の不自由もなく生きていられているのだから。
でも、せめて今つながっている人たちは途絶えないように少しは頑張りたいと思う。
少なくとも向こうが会ってくれる限りは年1くらいでもいいから連絡しようかな、なんて思った。